【みねたのあいうえお】
あ 浅田真央
日本人女性をひとりだけ世界に紹介しなくちゃいけないとしたら迷わず俺は浅田真央を差し出す。
彼女の顔、佇まい、そのすべてが日本を代表するにふさわしいものと考える。
浅田真央は日の丸だ。彼女と俺の母をのぞいた他の女どもは絶滅してもいい。
い イスタンブール
今いちばん行ってみたい場所。
ヨーロッパとアジア、抑圧と解放、イスラムとテロリズム、人口増加と野犬の群れ、ガラタサライとフェネルバフチェ、そのすべてがぶつかり合う町。
う 運命
時として、人は、俺は、運命というものに揺り動かされ、それがさだめだったのだと受け入れることしかできない。
愛別離苦とはいつも悲しいものだ。3月に事務所の社長坂田さんが亡くなって、秋にずっと頭が痛いと言っていたチンくんの頭の中に腫瘍があるかもしれないという知らせを聞いたとき、俺ははっきりと、運命というものを呪った。そして自分を悔いた。
精密検査の結果が出るまでの三日間はかつて味わったことがなかったほど俺は動揺し、だが末にはどのような結果が待っていようともそれを受け入れようと覚悟をきめた。
午後、「なんもなかったでしたー!」と電話口で彼が笑ったと同時に俺の視界が涙でぼやけ、真っ先にチンくんの頭をぶん殴ってあげたかった。
え ENDLESS SUMMER
もう長らく廃盤になっていた2001年発売のFENNESZのアルバム「ENDLESS SUMMER」がめでたく再発されていた。しかもアナログも出ていた。
初めて聴いた時からまるっきり正体のわからなかったこの作品はまるで真夏の夜空に忽然と出現したUFOみたいだ。俺がきっと何才になっても色褪せることなく、夏の空に漂い続けているにちがいない。
お おっぱい
おっぱいを想像してみる。
ふくよかで美しき女性のおっぱい。
今俺は心の中でおっぱいを容易に形づくることができる。
このおっぱいは俺だけのものだ。
だが、生活のうえで実際におっぱいをこの手で掴もうとすると、悲しきかな、おっぱいは自分自身の手によって隠されてしまう。
なんと無慈悲なることか。
掴めば姿は消えてしまうのだ。
よって、俺は永久に「おっぱい」に触れることはできない。
か 風邪
俺はめったに風邪をひかない。普段から薄着だから鍛えられてるんだろうか。平熱が高いからだろうか。でも何年かに1回すんごい風邪をひく。その1回がこないだ来た。友達にうつされた。クリスマスは寝て過ごした。
体温計ったら40.5度。立てなかったので江口くんに鍋焼きうどん買ってきてーと電話したら普通のインスタントの天ぷらうどん買ってきやがって、半分食べてさらに吐き気。
たまご酒を作って飲んで、寝て汗を体中から出した。寝ながら悪夢と戦った。いちばん怖かったのは俺のアナルばかり狙ってくる蠅の大群。どうしてもアナルの中に入ってこようとする。俺のアナルに卵を産もうとしている。起きてからも心なしかムズ痒い。
き 北朝鮮
北朝鮮でいつかライブがしたい。
く くりぃむナントカ
もっとみたい。
け 顕微鏡
友人に誕生日プレゼントでもらったのだが、どうしよう。
こ GONE FOR GOOD
THE SHINSの曲たちはどれもチャーミングで、鬱屈したこの部屋にもやわらかな光が射し込んでくるようだ。
GONE FOR GOODという歌は同棲していた恋人が合い鍵を置いて出ていってしまうという歌なのだが、少し前に別れた恋人のことを俺は思い出してしまい、俺は、暮れたのだ。
だがこの歌はやさしいので、聴いているあいだだけは、俺は見栄を張ったのだ。
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