昨年11月に行われた弾き語りのライブイベント。黄色いカーディガン姿でアコースティックギターを抱え、1人でステージに登場した峯田くんは、「昨日の夜に、このイベントのタイトルを使って、無許可で作りました」と言って新曲「サウンドオブ下北沢」を演奏した。「♪サウンドオブ下北沢 君が歩く靴の音」。一発で覚えられる歌詞とメロディは、なんていうかすごく自然にいい曲で、ぼくはちょっと泣きそうになってしまった。そしてその後いろんな経緯を経て、この曲は6人組の男女混成グループ「敏感少年隊」のシングルとしてリリースされることになる。公募で選ばれた新メンバーの女の子たち(といってもみんな20代半ばだったりするんだが)は、演奏に関しては全員素人。実際レコーディングされた音も、リコーダーが「ぷぴー」とかピアニカが「ぶわー」とかどしゃめしゃに鳴っていて、だけどこれがもうぜんぜん悪くなかったりして。この曲はあれだよ。「圧倒的な名盤」とか「ロック史に残る1曲」とか、そんなんじゃないよ。そんなたいそうなもんじゃなくって、ほんとにふつうのただのいい曲。カップリングのカバー曲も含めて、力の抜けた感じが最高だと思う。パンクバンドのフロントマンが歌うなにもない休日? 放課後に汗かいてる運動部を横目で見ながら、教室でわいわいやってる文化系のクラブ活動?分析とか批評とか、このCDの前ではそんなのぜんぜん意味がなくて、ぼくたちは下北沢の街を歩きながらこの曲のフレーズをただ口ずさんでればオッケーなのだ。そんな感じの3曲入りシングル。ぜひ聴いてみてください。★テキスト タクヤ(S.O.S./ミュージックマシーン)

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